健康診断で中性脂肪が高いと医師から指摘されたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
中性脂肪の数値は血液検査で知ることができ、検査結果表の項目ではTGと書かれています。
中性脂肪はエネルギー源であるブドウ糖が不足した場合にそれを補うためのエネルギー源となるため私達の体にとってなくてはならないものですが、増えすぎると肥満の原因となり、様々な疾患の引き金になってしまうことから、150を超えると軽度異常、200を超えると要経過観察・生活改善、400を超えると要医療・要治療となります。
中性脂肪の数値は多くの場合、食生活や生活習慣などが影響しており、特に食生活は中性脂肪の数値に深く関係していることから、健康診断などで中性脂肪が高いと指摘されたら、まずは食生活の改善を意識することが大切です。
そこでここでは、中性脂肪を食事でコントロールすることができるように中性脂肪を上げる食品や中性脂肪を下げる食品、中性脂肪をコントロールするための食事メニューの考え方などを紹介します。
中性脂肪の管理で要となる炭水化物
私達は普段の食事からエネルギーやそのほかの栄養素を補っています。
食べるものを意識することで健康を維持することができますが、食事は毎日のことであり、忙しい毎日の中で健康を意識した食事を毎日取るのが難しいという人も多いのではないでしょうか。
そこで、中性脂肪を食事でコントロールする上でまずは中性脂肪を上げる食品、中性脂肪を下げる食品を覚えて食事の管理を行いましょう。
炭水化物の役割と中性脂肪との関係
炭水化物はエネルギー源になる食材です。
炭水化物は3大栄養素の一つであり、体内に吸収されると糖質となり、一般的に白米やパン、麺類やイモ類などに含まれています。
不要な糖質が体内に蓄積されることで皮下脂肪になりますし、炭水化物は太るというイメージから中性脂肪を下げるうえではあまり摂取しない方がいいのではと考える人も多いのではないでしょうか。
ですが炭水化物と一言で言っても、中性脂肪を上げる炭水化物と中性脂肪を下げる炭水化物があります。
そしてここには血糖値が大きく関係しています。
中性脂肪と血糖値の関係
体内に入ってきた糖質がブドウ糖になり小腸で吸収されて血液に送られます。
この時に血糖値が急上昇することで血糖値をさげるためにインスリンというホルモンが過剰に分泌されます。
そしてインスリンは肝臓で蓄積されずに余ったブドウ糖を中性脂肪として脂肪細胞の中で取り込む働きを持っています。
つまり血糖値の急上昇を抑えて、インスリンの過剰な分泌を抑えることができれば、ブドウ糖を中性脂肪に変えることなく中性脂肪を下げていくことができます。
炭水化物の選び方は血糖値の上昇の仕方に注目する
炭水化物は大切なエネルギー源であることから、全てをカットすることはできません。
そこで血糖値の上昇を緩やかにする炭水化物を選ぶことで中性脂肪を下げることができます。
血糖値を急上昇させる炭水化物 | 血糖値を緩やかに上昇させる炭水化物 |
白米・食パン・フランスパン・うどん・もち・じゃがいも・やまいも・とうもろこし | 春雨・そば・玄米・パスタ・ライ麦パン・さつまいも |
炭水化物は食べる順番にも注意が必要!!
血糖値を急上昇させない工夫として食べる順番も関係しています。
普段、お腹が空いている時は主食であるご飯やメインの肉や魚などから食べているという人も多いのではないでしょうか。
血糖値の急上昇を防ぐための食べる順番としては、
野菜(きのこや海藻も含む)などの副菜 ↓ 味噌汁やスープなどの汁物 ↓ 肉や魚などのメイン ↓ ご飯やパンなどの主食 |
となります。
こうすることで血糖値を緩やかに上昇させることができ、さらにご飯やパンなどの主食の食べ過ぎを防ぐこともできます。
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タンパク質は脂身の少ない食品を選ぶのが重要!!
タンパク質は私達の体の15~20%を占めている栄養素です。
水分を除くと体の約半分はタンパク質が占めていることになり、タンパク質によって筋肉や臓器、肌や髪の毛、爪や体内のホルモンや免疫物質などを作ったり、栄養素の運搬をしたりしています。
中性脂肪の管理で取り入れたいタンパク質
中性脂肪を下げるためには悪玉コレステロール値を上げる動物性脂肪を減らすことが重要です。
中性脂肪を管理するための食生活では肉よりも魚や大豆製品からタンパク質を摂取するようにしましょう。
また肉を選ぶ際は脂身の少ない部位を選んだり、皮や脂身などをカットしたりするなど、できるだけ動物性脂肪を取らない工夫をすることで取り入れやすくなります。
取り入れたいタンパク質 | 避けたいタンパク質 |
肉(モモやヒレなどの赤身やささみや胸肉などの脂身の少ない部位)・魚・大豆製品・低脂肪乳・スキムミルクなど | 肉の脂身・ハム・ベーコン・チーズ・バター・生クリームなど |
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こんな食品は中性脂肪を上げてしまう!!
中性脂肪を上げてしまう可能性の高い食べ物にはどの様なものがあるのでしょうか。
揚げ物やスナック菓子
揚げ物やスナック菓子を普段から好んでよく食べているという人もいるのではないでしょうか。
ですが、これらの食品は過剰に油を摂取してしまうことで摂取された油は燃焼されることなく中性脂肪になってしまいます。
揚げ物ではなく蒸す、焼くなどして食材に含まれる油をできるだけ落として食べる、スナック菓子はできるだけ控えるなど工夫をしましょう。
甘いお菓子
チョコレートやケーキ、アイスクリームなどの甘いお菓子からの糖分の過剰摂取は中性脂肪の原因になります。
特に洋菓子などによく使われているショ糖は中性脂肪のもとになる成分となるため、過剰に摂取すると中性脂肪を増やしてしまいます。
中性脂肪を減らすことを目的にしているのであれば極力甘いお菓子は避けるようにしましょう。
おつまみの進む飲酒もできるだけ控える
中性脂肪は気になるけど、なかなかお酒をやめることができないという人もいるのではないでしょうか。
ですがアルコール自体が中性脂肪の原因となるというわけではなく、アルコールと一緒におつまみなどを食べることで過食を促してしまうことから中性脂肪が増える原因になってしまいます。
おつまみには脂質や糖質を多く含むものが多いので、お酒を飲む機会を減らす、お酒を飲む時のおつまみに気をつけるなど工夫をするようにしましょう。
中性脂肪の食事管理の基本は「オサカナスキヤネ」
健康な食生活に役立てることができる魔法の言葉として有名なのが「まごわやさしい」です。
この7品目をまんべんなく食事に取り入れることで自然に健康的な食生活を送ることができるというものであり、普段から意識しているという人も多いのではないでしょうか。
では中性脂肪を管理するための「オサカナスキヤネ」を知っていますか?
是非覚えて、上手に毎日の食事に取り入れていきましょう。
食品成分と成分の作用 | |
オ | お茶 (カテキンが脂肪を分解し、消費に働く酵素を活性化して脂肪の代謝を促進する)オリーブオイル(不飽和脂肪酸がドロドロの血液を溶かす) |
サ | サバやイワシなどの青魚 (DHAやEPAが肝臓で脂質の脂肪産生を抑制する、脂肪酸を分解する) |
カ | 昆布やわかめなどの海藻(水溶性食物繊維が血糖値の上昇を抑制する) |
ナ | 納豆(ナットウキナーゼが血栓を溶かして血液をサラサラにする) |
ス | 酢(酢酸やクエン酸が赤血球の膜を柔軟にする) |
キ | きのこ類 (食物繊維が血糖値の上昇を抑制するβグルカンがコレステロールを低下させる) |
ヤ | 野菜(食物繊維が豊富でビタミンCが活性酸素を除去する) |
ネ | 玉ねぎ・にんにく(アリシンなどのニオイ成分が血液をサラサラにする) |
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中性脂肪を下げる食事のまとめ
中性脂肪を効率的に落とすためには、一日3回の食事の質を見直し、中性脂肪を上げる食材をできるだけ使わずに中性脂肪を下げる食材を積極的に取り入れていくことが大切です。
中性脂肪の原因となる糖質を極端に抜くのではなくバランスよく取り入れ、食べる順番などを工夫して無理なく食事管理をしていきましょう。