悪玉コレステロール値を下げるために重要なポイントとなるのが食事です。
悪玉コレステロール値が上がってしまう理由には生活習慣や喫煙、飲酒やストレスなどがありますが、その多くは食事が原因となっていることが多いからです。
そこで悪玉コレステロール値を下げることができる食事の仕方や調理方法、悪玉コレステロール値の管理に取り入れたいレシピを紹介します。
悪玉コレステロール値をさげるための食事法のポイント
悪玉コレステロール値が高いと指摘されて、多くのは普段の食事について振り返るのではないでしょうか。
悪玉コレステロール値が上がる原因として挙げられるのが動物性脂肪の摂りすぎであり、普段からバターや生クリーム、脂肪分の多い肉類などをよく食べているという人は食生活を見直すことで悪玉コレステロール値を下げることができます。
そこでまずは悪玉コレステロール値を下げる食事方法のポイントについておさえておきましょう。
腹八分目を心がける
腹八分目は医者いらず、腹八分目に病なしということわざがあります。
食べ過ぎは体に悪いとわかっていてもなかなか習慣づけることができないという人も多いのではないでしょうか。
食べ過ぎればそれだけエネルギーや栄養を摂取することができますが、必要以上に食べることで内蔵がフルに稼働し疲労につながってしまいますし、必要のないエネルギーや栄養は行き場を失って体内に蓄積されてしまいます。
腹八分目を実践するためには、まずゆっくり食べてよく噛むことで満腹感を得るようにしましょう。
少し足りないかなという程度でも20分ほど経つと満腹感を感じるようになります。
この時にアルコールを一緒に摂取したり、ながら食いなどをすると満腹中枢が鈍くなってしまうので注意が必要です。
またこの他にも腹八分目を習慣づける方法として素材を大きめにカットして噛む回数を増やす、盛り付けるお皿のサイズを小さくしてたくさん盛り付けられているという視覚的な満足感を得る、一回の食事の品数を増やす、一口食べるごとに意識してお箸を置くなどすることで腹八分目を習慣化することができます。
バランスよく食材を取り入れる
悪玉コレステロール値を下げるためには、普段の食事メニューも見直しましょう。
動物性脂肪を多く含む食材や卵は悪玉コレステロール値を上げてしまうことから、魚類や海藻類、野菜や大豆製品などできるだけたくさんの食材をバランスよく一回の食事に取り入れることが大切です。
バランスよく食材を取り入れるためには和食の一汁三菜を意識して食事メニューを考えましょう。
主菜、副菜、汁物、主食が揃っていることで様々な食材を上手に取り入れることができます。
悪玉コレステロール値を下げる食品や調理法とは
悪玉コレステロール値を下げるためには積極的に取り入れたい食品や調理法を知っておきましょう。
悪玉コレステロール値を下げるために取り入れたい食品
悪玉コレステロール値を下げる成分を含む食品はいくつかありますが、ここでは比較的普段の食事に取り入れやすい食品を紹介します。
食物繊維を多く含む食品
食物繊維の中でも水溶性食物繊維は血中のコレステロールを絡め取って体外に排出する働きを持っています。
水溶性食物繊維を含む食材の特徴としてはネバネバ系の食品が多く、昆布やわかめ、里芋などが代表的です。
この他には大麦やオーツ麦などもあります。
イソフラボンを多く含む食品
イソフラボンは大豆に含まれている成分です。
豆腐や豆乳、味噌や醤油、納豆などイソフラボンは普段の食事でも比較的取り入れやすい食品が多く、無理なく取り入れることができます。
イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと似た構造を持ち、似た働きをしますが、エストロゲンには悪玉コレステロール値を下げる働きがあります。
女性に比べて男性がコレステロール値が高い傾向にあるのはこのためであり、閉経後の女性もエストロゲンが減少することでコレステロール値が高くなる傾向にあります。
つまりエストロゲンと似た働きを持っているイソフラボンを積極的に取り入れることで、悪玉コレステロール値を下げることができます。
オメガ3系の油を含む食品
さばやさんま、いわしなどの青魚の骨や皮、内蔵などにはオメガ3系の油が豊富に含まれています。
DHAやEPAと呼ばれるものであり、悪玉コレステロール値を下げる働きを持っていることから積極的に取り入れたい食品です。
身の部分にはあまり含まれていないので、調理の過程で出た油もソースなどにして一緒に摂取することができるように工夫してみましょう。
またオメガ3系にはえごま油やしそ油などのリノレン酸を含む油もあります。
参照元オメガ6系を含む食品
油と聞くと悪玉コレステロール値を下げるには不向きな印象を持ちますが、コーン油やごま油などリノール酸を含む油は悪玉コレステロールを減らす働きを持っています。
悪玉コレステロール値を下げるためには普段調理に使用する油も見直してみましょう。
ただし、リノール酸は摂りすぎると善玉コレステロールも減らしてしまうので使用する量に注意が必要です。
調理法を工夫して脂肪をカットする
食事の方法や食品選びに加えて、調理過程でも悪玉コレステロール対策をすることができます。
悪玉コレステロール値を下げるために調理では油を極力使わない工夫をしているという人もいるのではないでしょうか。
これに加えて、調理方法も工夫してみましょう。
例えば、調理による脂質やエネルギー量の差は揚げる、炒める、焼く、蒸す、湯通しする、茹でるの順番に少なくなっていきます。
とんかつなどは食材の脂肪分が衣の中に閉じ込められてしまいますし、衣も油を吸っているので脂質やエネルギー量はとても高くなります。
調理法を見直すことで余分な油を効率的にカットすることができます。
油を使わずに料理をするならフッ素加工のフライパンがおすすめ
油をできるだけ使いたくないという場合はほとんど使用しなくて済むフッ素加工のフライパンがおすすめです。
また電子レンジを活用すると油を使わずに食材に火を通すことができます。
肉を使用する時の部位の選び方
悪玉コレステロール値の管理をするなら肉類はできるだけ控えるのがベターですが、肉類には貴重なタンパク源の一つですし、全く食べないというのも毎日の食事が楽しくないという人も多いのではないでしょうか。
そこで肉を選ぶ時はバラ肉やロース肉よりもヒレ肉やもも肉、ささみなど脂肪の少ない部位を選ぶのがおすすめです。
また皮や脂身を取り除くことで脂肪分をカットすることができます。
悪玉コレステロール対策におすすめの料理レシピ
悪玉コレステロール値を下げるために取り入れたい料理レシピを紹介します。
マグロの納豆丼
大豆に含まれるイソフラボンや納豆に含まれるナットウキナーゼ、マグロに含まれるオメガ3系の油を効率的に摂取することができるメニューです。
火を使わないので手軽に作ることができます。
材料(1人分) | 作り方 |
マグロ(赤身) 50g 納豆 40g A(醤油 小さじ1/酢 小さじ1弱) ごま 小さじ1/4弱 青じそ 0.5g 麦ごはん 150g | 1、マグロを食べやすい大きさに切り、青じそはせん切りにして水にさらす。 2、納豆をしっかり混ぜてAを加えてさらに混ぜる。 3、丼に麦ごはんを盛り付けてごまを振って、マグロを載せて2をかける。仕上げに水を切った青じそを飾って出来上がり。 |
きのこのマリネ
食物繊維を豊富に含むきのこをたっぷり使ったマリネです。
作り置きにも適しており、箸休めや夏の暑い日などにさっぱり食べることができます。
材料(1人分) | 作り方 |
エリンギ 25g しめじ 25g えのきだけ 25g A(オリーブオイル 小さじ1/2、 にんにく(薄切り) 1g とうがらし(小口切り) 少々 岩塩 0.5g 黒胡椒(粒) 少々) レモン汁 小さじ1/2強 | 1、きのこ類を食べやすい大きさに切る。 2、ボウルに1とAを混ぜて、軽くラップをかけて電子レンジ(600W)で6分加熱する。 3、レモン汁を加えて混ぜ合わせて冷まして出来上がり。 |
キャベツとかぼちゃのサラダ
キャベツには悪玉コレステロールを排出する天然のアミノ酸、SMCSが含まれています。
加熱することでかさを減らして美味しく食べることができます。
材料(1人分) | 作り方 |
キャベツ 50g かぼちゃ 30g A(オリーブオイル 小さじ1/2、 酢 小さじ1、 塩 0.4g、 こしょう 少々) マヨネーズ 小さじ1 | 1、かぼちゃを薄い一口大に切って電子レンジ(600W)で3分ほど加熱し、柔らかくなったらAに浸す。 2、キャベツはざく切りにして、電子レンジ(600W)で2分加熱して水気を切る。 3、キャベツをかぼちゃをあえて、冷めたらマヨネーズを加えてあえる。 4、塩コショウで味を整えて出来上がり。 |
さばのサンド
DHAやEPAは青魚などの骨や皮、頭や内蔵などに多く含まれています。
また加熱に弱いことから生の状態で食べるのがおすすめですが、DHAやEPAを含む魚を生の状態で食べるのはなかなか取り入れにくいものです。
そこで手軽にDHAやEPAを取り入れることができるサバ缶を活用してみましょう。
材料(1人分) | 作り方 |
ロールパン 2個 サバの水煮缶 60g レタス 8g トマト(輪切り) 40g A(塩 0.2g、 粗挽き黒胡椒 少々) 粒マスタード 大さじ1 | 1、さばの水煮缶は水気を切ってAを加えて軽く混ぜ合わせる。 2、レタスは水気を切って食べやすい大きさにちぎり、トマトは半分に切ってペーパータオルなどで水気をしっかり取る。 3、ロールパンの中央に切り目を入れて粒マスタードを半量ずつ塗り、レタス、トマト、サバを挟んで出来上がり。 |
悪玉コレステロールを下げる調理法や料理レシピのまとめ
悪玉コレステロール値の管理は食事を見直すことで数値を下げることができますし、悪玉コレステロール値を管理するために取り入れる食品やレシピ、調理法などは様々な健康維持に役立てることができるものです。
一度にすべてを取り入れるのは、なかなか難しいものですが意識して少しづつ変えていきましょう。